軸、襖絵など

絹本着色達磨図伝顔揮1幅 保存修理2023年完了

Ⅰ.達磨図 掛軸
 中国現代初期に活躍した「筆法奇絶」と評された画家顔揮の作と伝承される達磨図で大いに注目される。
 本図は織田長頼(1582~1620)により約400年前に修理されている。その後の経過により本紙に亀裂や折れ、絵具の剥落などが進行していたが、 表具を解体し全面的な修理をすることができ、面目を一新することが出来た。
 修理により状態を観察したが、寺伝で中国の顔揮筆を確定するには至らなかった。しかし、子細に検討した結果、鎌倉時代末期に請来された と考えられる等身の半身達磨図を、日本の熟達した画家が忠実に描いたもので、初期禅宗達磨図の受容を考える上で重要な作品である事が判明した。
Ⅱ.廣誠院との関わり
 付属資料から、一時期に仁阿弥道八の手を経て廣誠院に伝来した事がわかる。 達磨図上部に織田道八の讃が見られる。

Ⅲ.令和の修理
 今回の保存修理に際して、京都産業大学教授石川登志雄先生に修理の基本方針、助成金給付の申請について(公財)朝日新聞文化財団、京都府に推薦を頂いた。
修復前 修復後
Ⅳ. 公表の方法など
 保存修理完工後時期をみはからって、廣誠院または龍谷ミュージアムにて公開展示を計画しており、本文化財の修理が上記Ⅲ項記載の「両者の助成により実施された」旨を表示します。

 今回の保存修理の監修、助成金給付推薦に当たっては、京都産業大学教授
石川登志雄先生に多大なご支持を頂きました。

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